子供たちの朝の表情(先週の父母会役員会でさせていただいたご挨拶を補足します)

 私は日本で校長として3校経験させていただきました。1校目は,瀬戸内海に浮かぶ島の学校でした,島の学校と聞くと小さな学校を想像されるでしょうが,ここは400人規模の小学校でした。観光と造船の島で,学校自体が島の景観の一部になっているようなモダンなつくりの学校でした。ここで2年間登校時間帯に箒をもって掃除をしながら子供たちを出迎えていました。学校のお隣が平山郁夫美術館で,きれいにしておかなければいけない雰囲気があったからです。

2校目は西中国山地の山の中の小中一貫校でした。3年間子供たちを校門で出迎えました。冬は-10度以下の日が続くような土地でしたが,歩道や前庭の雪かきをしながら出迎えていました。

3校目は,やっと家から通える学校に赴任しました。この小学校は若いころに教諭として勤めていたところです。交通量の多い地方道に面していたため,毎年児童が巻き込まれる交通事故が複数回あるところでした。大事に至ることはありませんでしたが,毎朝登校時刻が過ぎたらほっと安心する毎日でした。

子供たちの朝の表情は正直です。悩みがあったら分かります。でも,子供は悩みを隠そうとします。だから,眺めているだけではだめです。特に大好きなお家の人には心配をかけまいとして隠します。どの学校でも立ち始めてからしばらくたって,子供たちの表情が見えてきます。「おはようございます」と言ってくれる声でも子供たちの姿が見えるようになってきます。「悩んでいるな」と感じた子がいたら,すぐに担任に伝えます。必ず担任からは報告があがってきます。僕の取り越し苦労の事もたくさんありました。でもこのことがきっかけで子供の悩みをつかむこともありました。

みなさまのご家庭ではいかがですか,子供たちの朝の表情を見ていますか。見ているようで見ていないことはありませんか? 顔を眺めて,「おはよう」というだけでは子供が隠している何かを見つけ出すことはできません。しっかり見て,声をかけてみてください。そして,子供が何かで悩んでいる様子を感じたら,「大丈夫だよ」「一人で悩まなくていいよ」「一緒に悩もう」というメッセージを子供に伝えてください。