言葉の力

校長 冨岡 尚生

先週の12日、テニスの四大大会の1つ、全米オープンの女子シングルス決勝で、大坂なおみ選手がベラルーシの選手にセットカウント2対1のフルセットで逆転勝ちし、優勝した2018年の大会以来、2年ぶり2回目の優勝を果たしました。

今大会では、人種差別へ抗議するマスクを7試合分用意していたことが大きな話題となりました。このことについて大坂選手は、「皆さんがどのようなメッセージを受け取ったか、それに興味があります。私のマスクを見て話し合いが起きればいいと思います。」「私はテニス業界の外のことにそれほど詳しくはありませんが、いろいろな人がこのことを話題にしてくれると嬉しいです。」と、その思いを、彼女の「言葉」で語っていました。大坂選手の「言葉」に注目したのは、今大会だけではありません。

初優勝をした2018年の大会に遡ります。ご覧になった方も多いと思います。決勝は、セリーナ選手が2度の警告を取られ審判に猛抗議したことで、ゲームペナルティーを取られ、荒れた試合になりました。観客からは審判に大ブーイングが起き、試合後の優勝セレモニーも騒然とした雰囲気で行われました。そんなブーイングの中で、質問者が大坂選手に尋ねました。「いつかグランドスラム決勝でセリーナと戦うのが夢だと言っていました。今どんな気持ちですか?」そこから大坂選手のスピーチが始まりました。”I’m going to differ from your question, I’m sorry.「質問への答えではないことを話そうと思います。ごめんなさい。」”I know that everyone was cheering for [Williams] and I’m sorry it had to end like this. I want to say thank you for watching the match.”「皆が[セリーナを]応援していたのを知っているから、こんな終わり方になってごめんなさい。ただ伝えたいのは試合を見てくれてありがとう。」 2万人以上の観客のほとんどが、セリーナ選手のファンと思われます。40語に満たない、この大坂選手のスピーチを聞いて、心は大坂選手に対するリスペクトに変わったと私は感じました。言葉は、人の心や社会を動かすこともあります。また、自分の立場を気付かせてくれます。言葉は人を傷つけるためにあるのではなく、人を幸せにするために生まれてきたと思います。ある研修会で、人を笑顔にする3つの言葉を習ってきました。「ありがとう」「うれしい」「たすかったよ」です。人へ感謝を伝えること。その感謝の言葉は、相手と自分に幸せを創り出します。大坂選手は次の言葉でスピーチを締めくくりました。”It was always my dream to play Serena in the US Open final. I’m really glad I was able to do that. I’m really grateful I was able to play with you. Thank you.”

今週は何人もの総領事館の方や先生方が、日本から届いた教科書やドリル、ワークなどをタッパー校に届け、丁寧に仕分けてくださいました。ありがとうございました。

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