学校だより

校長

「大人の皆さんにお願いがあります」15歳の主張

僕は小学5年生の時、自身の障害を理由にいじめにあいました。最初は言葉だけの暴力で特に気にならなかったのですが、階段から突き飛ばされるなど徐々に身体的な暴力に変わっていきました。そんないじめに耐えかねた僕は、不登校になりました。次第にいじめから逃げた劣等感と将来への不安が押し寄せ、不登校の自分が嫌いになりました。

そんな僕を救ってくれたのが絵本でした。もともと絵本作家になるのが夢だった僕は、自分のもやもやした感情を絵本にして表現しました。思ったよりいい出来だなと思ったので、その絵本をあるイベントで販売することにしました。そこでイベントに来てくれたお客さんから、褒められたり共感してもらえたことによって自己肯定感が上がり、不登校であることを恥ずかしく思わなくなりました。

そのとき、ふと、僕は僕をいじめていたクラスメートたちのことを考えました。なぜ僕をいじめなくてはならなかったんだろうと。そして彼らが言っていた言葉を思い出しました。親に無理やり塾や習い事に行かされて自分の時間が無い。やりたいことをやろうとしても大人から止められてしまう。みんなやりたいことを大人から抑圧されていて、そのストレスや不満を僕にぶつけていたんだと分かりました。もし彼らに自分のやりたいことを表現できる場所があったなら、いじめなんて起きなかったんではないか。僕はそう思い、子どもが主体、子どもが出店、子どもが運営をする子ども万博を開催しました。

子どもたちは自分でプログラミングしたゲームをお客さんに体感してもらったり、自分でデザインしたイラストやポストカードを販売したり、みんな自由に自分を表現していて、会場は子どもたちのポジティブなエネルギーに満ち溢れていたと思います。そして今年、3回目を開催しようとしていた矢先、コロナウイルスが流行し、去年と同じ会場での開催が困難になりました。しかし、何とか開催できる方法を探しました。最初に思い浮かんだ開催方法が、オンライン開催でしたが、一部の大人たちからは、「オンラインなんて危ないよね」だったりとか、「自分の子どもの顔や声がネットに上がるなんて怖い」、「そんなものに参加するんじゃない」といったような声が聞こえました。しかし、実際に開催してみると、参観者は場所や天候に縛られなかったり、障害のある人もオンラインなら参加のハードルが下がるということに気付けました。オンラインだからこそできる、人と人との交流もあったんです。

僕から大人の皆さんにお願いがあります。子どもたちに自由な表現をさせたり、新たなツールを使わせるのは危険だと思うかもしれません。もちろん、間違っていたり、失敗することは出てくると思います。でも、これからの未来を創っていくのは僕たちの世代です。否定したり拒絶するのではなく、応援してもらえませんか。大人と子供で意見の違いがあったとしてもお互いの意見に耳を傾ければきっと、よりよい未来が創れるはずです。僕はそう思ってこれからも活動していきます。

昨年放映された、「NHK青年の主張2020」での15歳の少年の主張です。音声をもとに文章にしてみました。文字にすると1200字余り。音声で聞いていても、すっと入ってくる文章です。おそらく、自分の考えを順序立てて整理して、何回も文章にして練習をしたのだと思います。そして、たくさんの人に話を聞いてもらったと思います。

言葉は自分の考えたこと、思ったことを伝えるツールです。言葉のキャッチボールが多いほど、言葉が身に付き、磨かれていきます。私たちの日本語も同じです。オンラインは、みんなにしっかり、言葉が伝えられます。クラスの中で話をできる場面を増やしていこうと考えています。オンラインでは、言葉のやり取りを密にしていきましょう。

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