学校だより 6月19日

学校だより

校長

「じどう車くらべ」「どうぶつの赤ちゃん」「たんぽぽのちえ」「どうぶつ園のじゅうい」「こまを楽しむ」「すがたをかえる大豆」「ありの行列」「アップとルーズで伝える」「世界にほこる和紙」「ウナギのなぞを追って」これらは小学1年生から4年生までの国語の教科書に載っている説明文です。5年生、6年生になるとさらに増え、それぞれ5~6作品の学習をします。

小学1、2年生では、時間的な順序や事柄の順序などを考えながら、内容の大体を捉えることを目標にしています。3、4年生では、段落相互の関係に着目しながら、考えとそれを支える理由や事例との関係などについて捉えていきます。5,6年生では、事実と感想、意見などとの関係を押さえ、文章全体の構成を捉えて要旨を把握することへと発展します。

教科書で扱う説明的文章の多くは、「序論・本論・結論」という構成になっています。その構成を生かして、子どもたちに,説明的文章を3つのまとまりに分ける活動に取り組ませます。話し合いを通して,時間を表す言葉や,順序を表す言葉,接続語などに注目しながら説明的文章全体の構成を読み取らせるようにします。

しかし、学習が終わって、子どもたちが理解できたかどうかはなかなか把握できません。そこで私は、どの学年でも同じことを子どもたちに問いかけることをしました。まず、文の主語はどれか、そして指示語(こそあど言葉)の指し示すものは何かです。日本語の文章は、主語が隠れていたり、長かったりすることが多いです。文の成り立ちを知るためには、まずその文の主語・述語となる文節を見付けることが必要です。指示語は、普段の会話にもよく使われます。「ここ」「それ」「あの」「どのように」、これらの言葉の指し示すものを具体的に特定しなければ理解することはできません。

説明文の授業になると、「この文の主語はなんだ?」とか「このようにってどこからどこまで?」などとやたらしつこく質問する私の授業は、子どもたちにとって苦痛だったと思います。ただ、繰り返していると、何となく意図した読み方が出来るようになっていきました。国語の「読むこと」は、正しく豊かに読むことを目標にしています。日本語には日本語の文法があり、それらを理解し、それらを使ってしっかり自分の考えを表現できることを、学校として目指していきたいと思います。

学校だより

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校長

東京都の話で申し訳ありません。

最新のデータでは、東京都には何らかの原因で学校に行けない不登校児童生徒数は、小学校で5217人、中学校で10851人います。毎年増加傾向にあります。率にすると、小学校では約1%。中学校では約5%という数字になります。どこの学校にも不登校のお子さんはいます。

不登校の要因は、小学校では本人の「無気力・不安」が最も多く、次いで家庭の「親子の関わり方」、学校の「いじめを除く友人関係をめぐる問題」です。中学校では、本人の「無気力・不安」が最も多く、次いで学校の「いじめを除く友人関係をめぐる問題」、「学業の不振」が挙げられています。

不登校と合わせて問題になっているのが、「小1プロブレム」です。小学校1年生のクラスが学級崩壊になることは、もう珍しくありません。1年生が授業中、勝手に教室の中を立ち歩いたり、教室の外へ出て行ったりする。担任の指示通りに行動しない。私語が止まず、ざわざわしている。けんかやトラブルが日常的に起きている。教室が汚れている。原因は多岐に渡ります。児童に我慢する力が身に付いていない。基本的な生活・学習習慣が身に付いていない。担任に基本的な指導力が欠けている。家庭の教育力が低下しているなどです。

幼稚園や保育園では、ある程度園児が自由にやりたいことを決めて、そのやり方を考え出来るようになることを目指します。先生方は、とことん追求できるように見守ることに徹します。ところが、小学校では、決まったルールに則った学習や生活に慣らさせようとします。ここに、不適応が生まれてしまうことがあります。何らかの発達障害や困り感をもつ子どもは、強く反応してしまうことがあるようです。

そこで、小学校ではスタートカリキュラムというものが始まりました。5歳児の移行期と小学校入学後の児童に焦点を当てて、保育者・教師が互いの保育・教育の内容や、子どもたちの発達と学びを理解し合い、双方の指導に活かすことができるよう作成したものです。幼児期の終わりまでに育ってほしい姿と小学校生活を通して育ってほしい姿をむすび合わせ、学習を組みなおしていきます。少なくても幼、小1の2年間で学びの接続を行うことが必要だと思います。

本校の1年生は、ひらがなが読めて書ける。音読は語のまとまりで読める。数字を数えたり、書いたりできる。絵日記がかける。手を挙げて指名されてから答える。恥ずかしがらずに発表できる。これらは幼稚園から育ててきたものです。しっかりと身に付いているようです。幼小に限らず、どの学年間でも接続を大切にしています。理解された環境の中で、子どもたちを育てる。子どもたちは、身に付けた力を発揮できる。充実感や達成感が生まれれば、無気力や不安はかなり抑えられます。オンラインでも楽しい充実した授業を目指しています。

学校だより 6月5日

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校長

先週は、高等部の授業に参加しました。1時間目は、高校1年生の数学。「2次関数のグラフ」を学習していました。高校時代、数Ⅰ、数ⅡB、数Ⅲまで授業を受けましたが、かなり苦戦をしていたのを覚えています。

関数の学習は小学生から始まっています。「ともなって変わる2つの量」。比例、反比例など生活場面を想定した問題を中心に学習を始めます。簡単な数を用いて、表やグラフに表します。小学校では、伴って変わる二つの数量の変化や対応の特徴を考察すること、ある2つの数量の関係と別の2つの数量の関係を比べること、2つの数量の関係の考察を日常生活に生かすことがねらいです。料理の場面や飲み物を作る場面、行列に並ぶ時の直感的な判断に活用されていると思います。

中学校数学科では、具体的な事象を通して、関数関係を見いだし考察し表現することを学習します。小学校算数科での学習との違いは、変域に負の数が含まれること、グラフを座標平面上にかくこと、文字を用いた式によって関数を表現し考察すること、学習の対象が一次関数や関数 y=ax 2 にまで拡張されることです。

この関数についての基礎的な概念や性質を理解することは、前述の小学校4年生からじっくりしっかりと積み重ねられます。基礎が出来ていないと、算数数学は前に進めません。数については、幼稚部から指導している数の概念がとても大事になってきます。そのため、算数数学にとっては、今できているかが教員の側からも重要です。

文献によりますと、宝くじは確立の理論。薬の体内残量、複利計算、ローンなどは数列による計算。感染爆発と対数グラフは関数の応用だそうです。私たちの生活は、数学で語れるものが多いようです。

難しくても、1つ1つ丁寧に解いていった90分間の授業。一生懸命先生についていった高校生にエールを送ります。

学校だより 5月29日

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校長

「見えるもの」と「見えないもの」

中学部の地理の授業でした。「木造の家」、「石で作られた家」、「土で作られた家」の写真を見て、どうしてこのような家になるのかを考えていました。通常では、それぞれの写真とその土地の年間の気温、降水量などを結び付けて終わってしまう授業です。ところが、先生から提示されたものは空からの動画でした。どの家々も同じ材料を使って作られていることや周りの環境が広範囲に分かります。理解というよりも納得という言葉が当てはまりました。オンラインならではの特性を生かした場面でした。子どもたちは見えるものから、さらに想像をしたり、関連させたり考えを広げたりしていきました。

中学部の数学の授業では、見えないものを考えていました。負の数です。2個のリンゴは見えても、-2個のリンゴは見えません。このマイナスの考え方から入っていきました。素材は「時差」です。基準はロンドンの子午線。地球は西から東へ24時間で1回転するため、経度15度で1時間の時差が生じます。日本標準時の兵庫県明石市とイギリス・ロンドンでは、経度で135度の差があるため、時差は9時間になります。日本より東にあれば(東経が大きい数字)時差はプラスされ、反対に日本より西にあれば時差はマイナスになります。また、日付変更線という厄介な見えない線が出てきます。これらを頭に入れて、世界各地の時刻を考えていきます。見えないものは、何かに置き換えて考えたり、仮定して考えたりします。地球上の3つの都市の時刻を考えるだけで、マイナスの考え方が身に付いていきます。

中学生の思考力としては、与えられた資料から情報を読み取る力、与えられた資料を比較し共通点や相違点を見つける力、自らの考えを再構築し伝える力、自らの考えをまとめる力が求められています。そのために、特定のものをよく観察できる機会や複数のものを見比べる機会をつくり、自分ならどうするかを考えさせ、考えた結果を意見としてまとめ、語らせます。オンラインでも繰り返し繰り返し、投げかけています。ぜひ、普段の生活でもこのような機会をつくってあげてください。

学校だより 5月22日

学校だより

校長

「一人が犠牲になって、複数の人の命が助かるなら、支持しますか?」「AIによる自動運転車が事故をおこしたら誰が責任を負うべきですか」「あなたが裁判員になったら、死刑の判断を下すことができますか」

これらの問いは、来年春から国内の高校で使われる新しい社会科の教科書に記載されているものです。いずれも正解は書かれておらず、生徒たちに考えるよう促す内容になっています。高校教育で課題とされてきた知識偏重を脱却し、生徒がみずから考え、周囲との対話を通じて学びを深める内容が特徴です。どれだけ知識を暗記するかではなく、知識をいかに活用し、現実の課題について思考し、解決につなげられるか、そんな力を養おうとしています。

先週の中学部の授業では、生徒の「千と千尋の神隠し」「エヴァンゲリオン」の感想を皆で聞きました。本人の感性で感じたものを本人の言葉で表現していきます。ストーリー、映像、音楽、エンディングなどの切り口を通して言葉を選び、相手に自分の思いを伝えます。語彙も問われます。しかし、ここにも正解はありません。

小学6年生の授業では、討論が行われていました。「スポーツを見るならTVの方がいいか」「動物園の動物は幸せか」。結論を導く過程の習得をねらいとしています。自分の答えを出すための理由や情報を一生懸命に考え結論付けることを、対話をしながら学習していました。

自分はどう捉えたらいいのか、どうアプローチしていけばいいのかを考えることは、答えのない時代を生きる私たちにも求められていると感じました。自分の意見を組み立て、仲間と意見を出しあい、それをプレゼンしていく力。オンラインでこそ必要になります。子供たちは、少々戸惑いながらも意見交換を行い、自分の意見の構成を考え、相手に正しく伝えるためにはどのような順番で話したら伝わるかなどを検討したり、相手の意見に感心し、またそれに対して考えたりしていました。バンクーバーで高めようとしている取り組みの一つです。