学校だより 3月6日

学校だより

校長

卒業を控える時期になると、可愛い子には旅をさせよという諺を思い出します。

辞書で調べると、「大事な子どもだからこそ、手元に置いて甘やかすのではなく、旅をさせて厳しい経験を積ませるべきだという意味の諺。最近では、旅行をすることが昔ほど困難でなくなったこともあり、大切な子どもに自由に旅行に行かせてあげるべきだ、というような意味で用いられることも多いといわれる。」

諺も時代の流れによって、その使われ方も変化するようです。

この諺については、『可愛いわが子に旅させ親御 憂いも辛いも旅で知る。親は子供に代わって人生を闘ってやることはできない。できるのは闘い方を教えることだけである。あとは自力で苦難を乗り越えてくれると信じ、旅立ちを見送るしかない。』と、新聞のコラムにも取り上げられていました。

一説によると、徳川家綱の時代、万治元年(1658)に当時の作家の浅井了意が「東海道名所記」に、いとおしき子には旅をさせよ。万事思いしるものは旅に勝る事なし。旅は人生の喜怒哀楽を味わえる良薬と記したものとあります。

江戸の旅は体の感覚を磨く旅でもあったそうです。道端の花を、匂いを愛で、地面の冷たさ、暖かさをワラジ越しに素足で確かめ、その土地、土地の名物を味わい、自然の恵みを通じて季節感を肌に感じ、せせらぎの音に疲れを癒し、旅人は旅を続けたそうです。

バンクーバー補習授業校を卒業していく皆さんは、これから何を発見し、何を磨いていくのでしょうか。皆さんには、たくさんのふれあいや人のすばらしさを味わってほしいです。皆さんの旅の前途に、天の恵みが多くあらんことを祈ります。

令和3年度のオンライン授業について

令和3年2月27日

バンクーバー補習授業校保護者の皆様

令和3年度のオンライン授業について、「保護者の方へ」のページをご覧いただきますようお願い申し上げます。

バンクーバー補習授業校

学校だより 2月27日

学校だより

校長

「春は名のみの 風の寒さや 谷のうぐいす 歌は思えど

時にあらずと 声もたてず 時にあらずと 声もたてず

氷融け去り 葦はつのぐむ さては時ぞと 思うあやにく

今日も昨日も 雪の空 今日も昨日も 雪の空

春と聞かねば 知らでありしを 聞けばせかるる 胸の思いを

いかにせよと この頃か いかにせよと この頃」

ご存じでしょうか。安曇野の遅い春を待ちわびる歌「早春賦」の歌詞です。「春とは名ばかりの風の寒さ。谷のウグイスは 歌おうとするが、まだその時ではないと 声も出さない。氷は解け、葦(あし)は芽吹く。もう春が来たかと思ったが、あいにく今日も昨日も雪模様だ。春だと聞かなければ、知らなかったのに。聞いてしまったから、気がはやる。この気持ちをどうしたらいいのか、今頃の時期は。」というのが、歌詞の意味です。

小学校の生活科の目標の中に、「季節とその移り変わりを感じる活動や,自然の事物,現象に目を向ける活動も欠かせない活動である」とあります。バンクーバーに来る前は、春と秋がだんだん少なくなってきて、春らしさ、秋らしさがどんどん少なくなっていく日本の気候を憂いていました。季節感を教えることが難しい時代になりました。ここバンクーバーの天気は、雨ばかりの日が続いたり、暖かくなったり、寒くなったり。また雪が降り、風が強く吹き、霧が街を包み、穏やかな日が訪れるという、とても一言では言い表せないような天気が続いています。それでもだんだんと、日が長くなってきました。子どもたちは、春の訪れを感じているのかなと思うことがあります。桜のつぼみがだいぶ大きくなってきました。公園のリスも活発に動き回ってきました。子どもたちに、春の訪れを伝えたいと思う、この頃です。

追伸 埼玉の自宅で越冬していた、アゲハチョウのさなぎ。なんと羽化しました。2月に羽化するアゲハは初めてです。大空にはばたけず、ミカンの木にぶら下がったままだそうです。

学校だより 2月20日

学校だより

校長

(先週より続く)

小学6年生として、異文化理解ということに自分自身の考えをもっていなければならない。また、その経験もしていなければならない。多文化共生、価値観の多様性に対しての一般論も理解していなければならない。日本の現在のギャップも考えて、現実的に論を構築していかなければならない。時間は45分間で、600字の作文表現。海外の子女に求めているものは、かなり高いレベルのものだということが分かります。

読書感想文など、小学校で宿題として出される作文では、内容もさることながら、文章力があるかないかが問われます。たとえば先週の問題にある、「本文の内容を踏まえて、あなたの意見を自身の体験を踏まえて書きなさい」という問いだったとしたら、

・本文の内容の要旨を正確に捉えているかどうか

・自分の意見がちゃんとその要旨の方向性に従ったものになっているかどうか

・それを具体化したものとして適切な例が挙げられているかどうか

という部分が書かれていなければなりません。

問題文で問われていることに対して、その答えとして適切なものを、適切な形で答える。そのような文章を書けるようになってほしいと思います。

中学受験、高校受験は、誰もがハードルを越える道を選んでいます。ハードルを越えようとする限りは、当然しっかり助走をしなければいけなくて、トレーニングをしなければなりません。その上で、結果的にそのハードルを越えられても、越えられなくても、そこでトレーニングをしてきたことがとても大事です。精神的にも辛い局面を耐え抜き入試を迎える。そこからくる成長がすごく大きいものだと思います。補習授業校の皆さんも、必ず受験を迎えます。やるからにはしっかり準備をして、合格をつかみ取ってほしいと思います。未来に、そして成長につながる勉強をしてもらいたいと思います。

学校だより 2月13日

学校だより

校長

2月1日から国内の首都圏の私立中学校、公立中高一貫校の入学試験が始まりました。関西圏は1月16日に始まりました。入学試験の問題もずいぶんと様変わりしています。入学試験の基本方針が出されている学校もあります。これは、都立の中高一貫校の出題方針で、生徒に求められる力は次の能力です。

〇文章の内容を的確に読み取ったり、自分の考えを論理的かつ適切に表現したりする力。

〇資料から情報を読み取り、課題に対して思考・判断する力、論理的に考察・処理する力、的確に表現する力。

〇身近な事象を通して、分析力や思考力、判断力などを生かして、課題を総合的に解決できる力。

問題を見ると、資料が多く、時間内に読み込まなければなりません。また、課題に対して自分の考えを論理的に表現できなければなりません。私が受験の時(昭和)は、知識を求められました。いわゆる暗記がものをいった時代でした。このような学力観に基づいた試験は、大学入試までつながっています。

以下は、小学6年生が受験する、ある都立中高一貫校の帰国子女枠の問題です。

【問 題 (Question)】

<日本語による作文>

異文化理解を深めるためにあなたが本中学校で何を学びたいか、これまでの自分の経験をふくめて、具体的に501字以上600字以内で述べなさい。ただし、資料1を読み、あなたが考えたことや感じたことと、資料2で分かった内容を含めること。

資料1 新聞に掲載されたある中学生の意見

「多文化共生」に向けた一歩    新聞 2018 年 3 月 16 日 東京版(山形県天童市)

グローバル化が進み、山形のまちでも外国人をよく見かけるようになった。これからの時代は、外国人と共生していくために「異文化理解」が大切だ。しかし、いきなり異なる文化を理解しようとするのは難しいかもしれない。だから私は小さなことから変えていきたいと思う。

私の祖母は本来、明るい色の派手な服装が好きだ。しかし実際には、暗い色の服装をしている周りのおばあちゃんたちに合わせて派手な服装を遠慮している。日本人は、他人に合わせて自分の個性を制限している人が多いのではないか。しかし、一人一人が個性を表現し、互いにその個性をその人の良さとして認め合える風潮をつくっていくことで、今よりも過ごしやすい世の中になると思う。

そういう環境で外国人を受け入れていくことで、「多文化共生」も可能になる。私はその実現の一歩として、祖母から「この服派手かな?」と聞かれたら、「すてきだよ」と答えようと思っている。

資料2 都民生活に関する世論調査(平成30年11月) 東京都生活文化局より

あなたが東京に暮らす外国人と関わるに当たり、壁になっていると感じるものはありますか。この中から3つまでお答えください。

言葉の違い           63.8%

文化・生活習慣・価値観の違い  54.2%

外国人と関わる機会がない    31%

外国人への苦手意識       16.6%

壁になっているものはない    10.8%

その他              1.1%

わからない            2.7%

小学6年生として、異文化理解ということに自分自身の考えをもっていなければならない。また、その経験もしていなければならない。多文化共生、価値観の多様性に対しての一般論も理解していなければならない。日本の現在のギャップも考えて、現実的に論を構築していかなければならない。時間は45分間で、600字の作文表現。海外の子女に求めているものは、かなり高いレベルのものだということが分かります。(以下、次週)