学校だより 2月27日

学校だより

校長

「春は名のみの 風の寒さや 谷のうぐいす 歌は思えど

時にあらずと 声もたてず 時にあらずと 声もたてず

氷融け去り 葦はつのぐむ さては時ぞと 思うあやにく

今日も昨日も 雪の空 今日も昨日も 雪の空

春と聞かねば 知らでありしを 聞けばせかるる 胸の思いを

いかにせよと この頃か いかにせよと この頃」

ご存じでしょうか。安曇野の遅い春を待ちわびる歌「早春賦」の歌詞です。「春とは名ばかりの風の寒さ。谷のウグイスは 歌おうとするが、まだその時ではないと 声も出さない。氷は解け、葦(あし)は芽吹く。もう春が来たかと思ったが、あいにく今日も昨日も雪模様だ。春だと聞かなければ、知らなかったのに。聞いてしまったから、気がはやる。この気持ちをどうしたらいいのか、今頃の時期は。」というのが、歌詞の意味です。

小学校の生活科の目標の中に、「季節とその移り変わりを感じる活動や,自然の事物,現象に目を向ける活動も欠かせない活動である」とあります。バンクーバーに来る前は、春と秋がだんだん少なくなってきて、春らしさ、秋らしさがどんどん少なくなっていく日本の気候を憂いていました。季節感を教えることが難しい時代になりました。ここバンクーバーの天気は、雨ばかりの日が続いたり、暖かくなったり、寒くなったり。また雪が降り、風が強く吹き、霧が街を包み、穏やかな日が訪れるという、とても一言では言い表せないような天気が続いています。それでもだんだんと、日が長くなってきました。子どもたちは、春の訪れを感じているのかなと思うことがあります。桜のつぼみがだいぶ大きくなってきました。公園のリスも活発に動き回ってきました。子どもたちに、春の訪れを伝えたいと思う、この頃です。

追伸 埼玉の自宅で越冬していた、アゲハチョウのさなぎ。なんと羽化しました。2月に羽化するアゲハは初めてです。大空にはばたけず、ミカンの木にぶら下がったままだそうです。

学校だより 2月20日

学校だより

校長

(先週より続く)

小学6年生として、異文化理解ということに自分自身の考えをもっていなければならない。また、その経験もしていなければならない。多文化共生、価値観の多様性に対しての一般論も理解していなければならない。日本の現在のギャップも考えて、現実的に論を構築していかなければならない。時間は45分間で、600字の作文表現。海外の子女に求めているものは、かなり高いレベルのものだということが分かります。

読書感想文など、小学校で宿題として出される作文では、内容もさることながら、文章力があるかないかが問われます。たとえば先週の問題にある、「本文の内容を踏まえて、あなたの意見を自身の体験を踏まえて書きなさい」という問いだったとしたら、

・本文の内容の要旨を正確に捉えているかどうか

・自分の意見がちゃんとその要旨の方向性に従ったものになっているかどうか

・それを具体化したものとして適切な例が挙げられているかどうか

という部分が書かれていなければなりません。

問題文で問われていることに対して、その答えとして適切なものを、適切な形で答える。そのような文章を書けるようになってほしいと思います。

中学受験、高校受験は、誰もがハードルを越える道を選んでいます。ハードルを越えようとする限りは、当然しっかり助走をしなければいけなくて、トレーニングをしなければなりません。その上で、結果的にそのハードルを越えられても、越えられなくても、そこでトレーニングをしてきたことがとても大事です。精神的にも辛い局面を耐え抜き入試を迎える。そこからくる成長がすごく大きいものだと思います。補習授業校の皆さんも、必ず受験を迎えます。やるからにはしっかり準備をして、合格をつかみ取ってほしいと思います。未来に、そして成長につながる勉強をしてもらいたいと思います。

学校だより 2月13日

学校だより

校長

2月1日から国内の首都圏の私立中学校、公立中高一貫校の入学試験が始まりました。関西圏は1月16日に始まりました。入学試験の問題もずいぶんと様変わりしています。入学試験の基本方針が出されている学校もあります。これは、都立の中高一貫校の出題方針で、生徒に求められる力は次の能力です。

〇文章の内容を的確に読み取ったり、自分の考えを論理的かつ適切に表現したりする力。

〇資料から情報を読み取り、課題に対して思考・判断する力、論理的に考察・処理する力、的確に表現する力。

〇身近な事象を通して、分析力や思考力、判断力などを生かして、課題を総合的に解決できる力。

問題を見ると、資料が多く、時間内に読み込まなければなりません。また、課題に対して自分の考えを論理的に表現できなければなりません。私が受験の時(昭和)は、知識を求められました。いわゆる暗記がものをいった時代でした。このような学力観に基づいた試験は、大学入試までつながっています。

以下は、小学6年生が受験する、ある都立中高一貫校の帰国子女枠の問題です。

【問 題 (Question)】

<日本語による作文>

異文化理解を深めるためにあなたが本中学校で何を学びたいか、これまでの自分の経験をふくめて、具体的に501字以上600字以内で述べなさい。ただし、資料1を読み、あなたが考えたことや感じたことと、資料2で分かった内容を含めること。

資料1 新聞に掲載されたある中学生の意見

「多文化共生」に向けた一歩    新聞 2018 年 3 月 16 日 東京版(山形県天童市)

グローバル化が進み、山形のまちでも外国人をよく見かけるようになった。これからの時代は、外国人と共生していくために「異文化理解」が大切だ。しかし、いきなり異なる文化を理解しようとするのは難しいかもしれない。だから私は小さなことから変えていきたいと思う。

私の祖母は本来、明るい色の派手な服装が好きだ。しかし実際には、暗い色の服装をしている周りのおばあちゃんたちに合わせて派手な服装を遠慮している。日本人は、他人に合わせて自分の個性を制限している人が多いのではないか。しかし、一人一人が個性を表現し、互いにその個性をその人の良さとして認め合える風潮をつくっていくことで、今よりも過ごしやすい世の中になると思う。

そういう環境で外国人を受け入れていくことで、「多文化共生」も可能になる。私はその実現の一歩として、祖母から「この服派手かな?」と聞かれたら、「すてきだよ」と答えようと思っている。

資料2 都民生活に関する世論調査(平成30年11月) 東京都生活文化局より

あなたが東京に暮らす外国人と関わるに当たり、壁になっていると感じるものはありますか。この中から3つまでお答えください。

言葉の違い           63.8%

文化・生活習慣・価値観の違い  54.2%

外国人と関わる機会がない    31%

外国人への苦手意識       16.6%

壁になっているものはない    10.8%

その他              1.1%

わからない            2.7%

小学6年生として、異文化理解ということに自分自身の考えをもっていなければならない。また、その経験もしていなければならない。多文化共生、価値観の多様性に対しての一般論も理解していなければならない。日本の現在のギャップも考えて、現実的に論を構築していかなければならない。時間は45分間で、600字の作文表現。海外の子女に求めているものは、かなり高いレベルのものだということが分かります。(以下、次週)

学校だより 2月6日

学校だより

校長

先週は小学2年生の授業に参加しました。担任の先生から、おやつを用意してくださいと言われ、ティムホートンのドーナッツを事前に買っておきました。

国語の授業は「様子を表す言葉」の学習です。教材文には,雨の絵をもとに、言葉の響きによって様子を表す言い方、程度を表す言い方、たとえを使う言い方の3種類が出ています。子どもたちにとって、雨の様子は想像しやすいし、これらの言い方を理解するのは難しくはないだろうと見ていました。しかし、自分が体験したことを、様子を表す言葉を使って実際に文章に書くとなると、これだけでは、語彙が少なく豊かな表現にはなりにくいだろうと思いました。

雨の降りようを表現してみます。教科書には、①言葉の響きによって様子を表す 言葉として「ざんざん」が載ってします。この他には「ぽつぽつ」「しとしと」「ぱらぱら」がよく使われます。雨音を言葉にしてみると、もっと他の音が聞こえてくるかもしれません。続いて、➁どれくらいかの程度を表す言葉として「はげしく」が載っています。「少し」「お湿り程度に」「やさしく」なども使います。そして、③たとえを使って様子を表す言葉として「バケツをひっくりかえしたみたいに」が載っています。「滝のように」もよく聞く表現です。最近になって、「今まで経験したことがないような」というアナウンスもよく聞くようになりました。

ある統計では、幼児が覚える語彙の数は、2800程度と言われています。子どもたちは今も、一語ずつ言葉を獲得しています。言葉は外からの刺激によって入ってきます。どのような言葉を与えるかは、大人次第になります。日本語には、すてきな表現が数多くあります。低学年の授業では、特にこれらの言葉にこだわっていきたいです。

「しとしと」という雨の表現は、実に日本語らしい表現です。英語では、どのように表現されるのでしょうか。「gently」?「softly」?「drizzle」?ドーナッツを食べながら考えました。

学校だより 1月30日

学校だより

校長

下記は、ある新聞に投稿された記事です。

 「『キーカラカラ キーカラカラ キークルクル キークルクル』ふと気がつくと、やぶれしょうじの穴から、二つのくりくりした目玉がこちらをのぞいていました」

 小学1年生の教科書に出てくる「たぬきの糸車」のお話の一節だ。「キーカラカラ キークルクル」のところがなんともかわいらしい。今日も次女が一生懸命に宿題の音読をしている。このお話を聞くのも、長男、長女、次女と3度目だ。

 長男が1年生の時は、次女が赤ちゃんだったので、オムツを替えたり、おっぱいをあげたりで、落ち着いて音読を聞いてあげることができなかった。心の中で、いつもごめんね、と謝っていた。

 長女の時は、次女も言葉を覚え、意味も分からずまねをするので、「もう、まねしないでよ」と姉妹でけんかをしながらの、それはにぎやかな音読だった。今度はやっと、しみじみと、ゆったりとした気持ちで聞くことができる。

 教科書にはすてきなお話がたくさんあって、中には「くじらぐも」「スイミー」など、自分が小学校の時に読んだなつかしいお話もある。今、5年生の長女が読んでいる「わらぐつの中の神様」も、心温まるお話だ。

 私にとって12年間も続く「小学校のお母さん」生活も折り返しを過ぎ、まだまだ先が長いなあと思うこともあるのだけれど、この音読を聞けるのもあと5年なのだと思うと、ちょっとさみしさも感じる。  東京都 主婦

先週、先々週と1年生が国語で勉強していた「たぬきの糸車」。小学部の子どもたちは、この物語をみんな音読したことと思います。

1年生後期の音読で重要なことは、2つです。「大きな声で」と「ゆっくりと」です。

1年生のまとめの物語です。相手に伝わらないような小さな音量ではなく、部屋の中にびんびんと響くような声で読んでほしいです。子どもらしい、澄んだ、歯切れよい、よく通る声で読んでほしいです。

子どもたちは上手な音読とは、「つっかえないで、すらすら、早口に読むことだ」と考える子もいるようです。早口読みは、文章内容を考えずに、文字を音声に単に変えるだけの音読になりがちです。

文章の意味内容の区切りで切って、場面の様子や人物の気持ちや筋道(論理)が音声にのっかるように工夫して、心をこめて、読むようにしていくと、「ゆっくり、たっぷり」と読むようになります。「ゆっくり、たっぷり」と読みだすと、自分の思い(イメージ)がふくらんで、そのふくらみがゆっくり、たっぷりとした音声になっていきます。自然と意味内容が音声にのっかるようになります。自分の思いをふくらませよう、それを音声にのせようと努力して、つっかえてしまうことはいくらあっても失敗ではありません。

オンライン授業では、音読の時間を多く取ることが出来ません。音読は、ご家庭にお願いすることが多いです。大きな声で、ゆっくりとした音読をぜひ聞いてあげてください。